【不動産投資】キャッシュフローツリーについて解説
みなさんは不動産投資を始めようと思ったときに、何を基準に物件を購入しますか?
今回は、投資物件を購入するための判断基準の肝となる「キャッシュフローツリー」について解説していきます。
キャッシュフローツリーとは?
年間の家賃収入から管理費、ローン返済額などの支出を引き、手元に残るお金を算出するための一連の流れを表したものです。
実際のキャッシュフローツリーがこちらです。
上から順番に解説していきます。
GPI(Gross Potential Income:総潜在収入)
満室・滞納なしを前提とした1年間の家賃収入の総額。
EGI(Effective Gross Income:実効総収入)
GPIから空室率と未回収損を差引き、さらに駐車場や自動販売機などの雑収入を足した実際に入ってくる収入。
EGI=GPI-空室・未回収損+雑収入
OPEX(Operating Expenses:運営費)
収益不動産を運営するためにかかるランニングコスト(経費)。固定資産税や管理料、共用部分の電気代や水道代など
NOI(Net Operating Income:営業純利益)
EGIからOPEX(固定資産税や管理料、共用部分の電気代や水道代などの運営費)を差し引いた金額。
NOI=EGI-OPEX
ADS(Annual Dept Setvice:年間返済額)
年間の返済総額。元利均等返済の固定金利ローンの場合、ADSは毎年一定額となる。
ADS=年間元金返済額+年間利息返済額
BTCF(Before-Tax Cash Flow:税引前キャッシュフロー)
NOIから年間のローン返済額を差し引いた税引前の収入。
BTCF=NOI-ADS
減価償却費
減価償却とは、建物部分(設備含む)を、構造・築年数ごとに一定期間分割して経費計上を認めているもの。
ex)木造:22年、重量鉄骨造:34年、RC造:47年
ATCF(Ater-Tax Cash Flow:税引後キャッシュフロー)
収入を得たことによって発生する税金を差し引いたものが税引き後キャッシュフロー。対象物件に不動産投資したときに発生する税金などを差し引いた実際の収益。
ATCF=BTCF-TAX(税金)
まとめ
不動産投資は手残りのキャッシュフロー、つまりATCF(税引き後キャッシュフロー)をいかに残せるかが重要です。但し、税金まで考慮すると計算が複雑になりますし、法人・個人、その方の所得などでも変わってきますので、物件の判断指標としては、BTCF(税引き前キャッシュフロー)までで十分です。表面利回りだけで判断するのではなく、運営費やローン返済額を考慮し、実際に儲かる物件なのかどうかを事前にシミュレーションすることで不動産投資の失敗を防ぐことができます。